日本の核武装論(にほんのかくぶそうろん)は、日本が核武装するかどうかについての議論である。核武装論は、広義には核兵器を保有していない国家における安全保障政策上の核武装の是非や利得についての議論を指し、狭義には核武装賛成論を指す。核保有国においては、既に保有する核兵器をどのように運用整備するかという核 77キロバイト (12,994 語) - 2022年3月7日 (月) 15:38 |
「NATOは核シェアリングという手法で核の脅威に対して抑止力を持っている。もしウクライナが(NATO)に入ることができていれば、
このような形にはなっていなかっただろう」
安倍氏は中国などを念頭に「日本も核大国に囲まれている」と指摘し、
国民と日本の独立を守るためには日本でも「核シェアリング」の是非を議論すべき旨を力を込めて語った。
(中略)
■順序が違う?安倍元総理の議論
ある自民党の閣僚経験者は活発になる「核シェアリング」をめぐる議論を苦々しい思いで見ている。
「まずは、今の自衛力のままで、どこまでのことができるのかを検討すべきだ」
核兵器の共有によって抑止力を高めることを考える前に、まずは通常兵器の範囲でいかに抑止力を高めるかを検討すべきだというのだ。
たとえば岸田総理が検討を指示しているいわゆる“敵基地攻撃能力”。通常兵器で敵のミサイル基地などを叩く能力を保持することで、
抑止力を高めるというものだ。今まさに進んでいるこうした議論をすっ飛ばして「核シェアリング」の議論を行うのは順序が違う、
党内にはそんな見方もあるのだ。さらにNATOの核シェアリングは、「日米同盟にはあまりフィットしない概念」(明海大学・小谷哲男教授)との指摘もある。
■NATOは「国内での核使用」を想定
現在ドイツなどNATOの加盟国に配備されているアメリカの核は「戦術核兵器」だ。大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの「戦略核兵器」が敵の本国を直接攻撃できるのに対し、
「戦術核兵器」は射程が短く威力も比較的小さいケースが多く、戦場単位での使用が想定されている。では何のために配備されているのか。
明海大学の小谷哲男教授(安全保障が専門)は、NATOの核シェアリングは「防衛」を意識した概念だと指摘する。たとえば、冷戦時代の西ドイツがソ連の侵攻を受けた場合、
西ドイツに侵入したソ連軍の部隊に反撃しせん滅するために使うというような想定だという。
小谷教授は「これをそのまま日本にあてはめると、例えば南西諸島が中国の人民解放軍によって侵略された場合に自衛隊がアメリカの核で応戦するというような概念だ」と解説する。
つまり日本の領土内で核兵器を使うということを意味する。
ただ、小谷教授は「今の防衛力の現状を考えれば国内で核を使う必要はないと思う。
仮に日本国内に核を置くということになれば逆に敵国からそこが先制攻撃を受けてしまうことにもなりかねない」と違和感を口にした。
■「*げた非現実的な議論」
防衛政策に精通する自民党の議員も「核シェアリング」をめぐる議論をこう切って捨てる。
「*げていますよ。そもそも、日本が戦術核兵器を使う機会なんてないですよ。非現実的な議論です」(防衛政策に詳しい自民党議員)
それでは、なぜ安倍氏は「核シェアリング」に言及したのか。政府関係者はこんな見方をしている。
「安倍さんだって、いまの日本の制度でできるとは思ってないでしょ。ただ、ウクライナ情勢を日本にうつしてみると、核兵器所有国とのアライアンス(同盟)をいかに強めていくかしかないと思う。
そういうなかでの議論ということだ」(政府関係者)
https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye6006133.htm?1646695299659