防衛・国防・安全保障は国民と国土を守る必須条件です。それともう一つ、食料自給率もです。
(出典 www.ana.co.jp)
今回のウクライナ侵攻をみて、ロシア軍が北海道にも攻め込んでくるのではと心配する声も聞くが、
短期的に考えると無理だ。そもそも極東にいる兵力自体が非常に少ない。防衛白書によると、
極東全体でも兵力は8万人ほどで、日本の陸上自衛隊(約13万8千人)よりずっと少ない。
極東の兵力を運ぶ船もなく、さらに日本の海上自衛隊と航空自衛隊を突破した上で、
北海道まで上陸させるだけの戦力があるかというと、これもロシアの極東の空・海軍にはない。
唯一有り得るとするなら、いきなり核攻撃をして自衛隊の基地を先制攻撃で完全壊滅させてから上陸するぐらいだが、
非常に極端なシナリオであるし、そこまでして、ロシアが日本に攻めたい理由は、どうしても見当たらない。
今回の戦争後、ロシア軍の極東の主力部隊はウクライナに移っている。8万人は平時の数字であり、
今はその半分か3分の1ぐらいだろう。3月に北方領土で演習し、国後島の演習の明かりが見えたというニュースが流れた。
派手にみえるが、ロシア側発表のニュースでは戦車も大砲も出てこない。兵隊が肩で担ぐような武器の訓練しかしていない。
主力兵器を動かせる人たちはみな、ウクライナに移っているとみられる。
3月中旬にはロシア海軍の戦車揚陸艦計4隻が、津軽海峡を抜けて日本海側に進んだのが確認されたが、
これはロシア極東カムチャツカにいる「第40海軍歩兵旅団」を運んでいたのだとみている。
極東の軍事戦力をウラジオストクや黒海に運ぶため津軽海峡を通るのが最短ルートと考え、
軍の行動が筒抜けになるのを承知の上で通ったのだろう。昨年からは東部軍管区を構成する
大規模な第35軍と第36軍が両方ともウクライナに送られている。キーウ周辺を攻めていたのもまさにこの部隊で、
「軍管区丸ごと引っ越し」のようなことをやった。